突然の災害を経験した場合、今までに経験したことのないようなストレスを抱える人がほとんどではないでしょうか。

被災した人たちは大きな怒りや悲しみの中で、さらにいつもと違う生活を強いられてしまうことが多くなります。感情がなくなってしまったりコミュニケーションがと取りづらくなったり、看護師としても関わり方が難しくなるのは事実です。しかし、災害直後から看護師がメンタル的な関わりを絶ってしまうとさらにASDやPTSDへ進行してしまう可能性が高くなります。災害医療においては被災直後の被災者の感情の表れ方と感情がどう変化していくのが正常範囲内なのか理解しておくことが大切です。

PTSDとは心的外傷ストレス障害のことです。

急性期から発生後6ヶ月後あたりの亜急性期までに起こることが多いとされています。症状は過覚醒、不安、回避、そしてよく聞くのがフラッシュバックです。PTSDは発症する期間が長いため長期的な視点とケアが必要となります。急性期はショックが大きすぎるため過度の緊張状態が続き徐々に心身へ影響が出てきて不安定な部分が表に出てくる場合があります。こうなると心を落ち着けることができなくなり、睡眠も取れなくなり、PTSDを発症しやすい状態になります。安心感をなるべく与え、ゆっくり休めるような環境を作ります。被災後1ヶ月を過ぎても不安定さが見られる場合、急にPTSDが発症してしまう場合もあります。さらに一歩外に出ると急に孤独を感じて不安定になってしまうことも。急性期を乗り越えた後もフォローを止めず、寄り添って被災者の気持ちを知ろうとすることが大切になります。